2016年11月29日火曜日

平成28年11月のあれこれ

 先ずは、先月の反省から。疲労と推敲する時間の不足で、随分と記述が粗いものとなってしまいました。対象の魅力や受けた感動が十分に表現されていない。ありきたりの言い回しで済ませるなら、読み手には退屈で、書き手にも無意味な時間の浪費でしかない。お互いに有意義な場にするため、心を入れ替えなければなりません。

今月は、ジュテーム「肉るめく京都」、つまり、フランス料理二連発です。先ずは、寒気の到来と共にやって来る野鳥系ジビエ料理。ソワソワ浮き立ちます。

前菜

レストラン シェシノhttps://www.facebook.com/chezshino/ 075-256-1225 不定休

鰊のオイル浸け、¥1,500+税。海の塩を伴って、調理によって純粋抽出されたニシンの個性、とろける歯応え。冷菜なのでサラダ仕立てなのかもしれませんが、主菜のようなご馳走感がある。身欠きニシンを炊いたことしかなかったので、その味わいに感動。

前回、ここでご馳走になった時には、いつも肉料理なのに、なぜか魚介系のメニューが中心でした。いぶかしく思っていましたが、一口食べると、ここは魚料理も素晴らしいと括目しました。それで、珍しく今回は魚から始めました。

グレープタイザー、¥?





主菜

山ウズラ(1/2羽)のロティ トランペット茸のソース、山ウズラの内臓のパテの黒キャベツ包み添え、¥3,800+税。

選択肢はライチョウか山ウズラ、それなら食べた事がない方。これまでの経験上、野鳥肉は鹿や猪のような強い個性、クセはありません。下処理が適切になされている限りにおいてですが。

モモ肉には噛むと地鶏に似た旨みが満ちています。胸肉は鶏肉同様に淡泊で、これを強烈なソースが補っている感があります。キノコ?の苦みと濃縮されたかのような出汁、香辛料?が合わさって、洗練をくぐり抜けて野生の苛烈さに回帰しているようなソース。要するに美味しい、と同時に過剰をも感じるという事。

そそり立つ足がシンクロナイズドスイミングの選手のようです。



デザート

モンブラン、¥900+税。添えるアイスクリームが切れていたので、「特別バージョン」だそうです。マロンペースト多めってことかな。そのために隠れてしまっていますが、土台はメレンゲではなくタルトです。より食べ応えが増して、お腹いっぱい。

カフェオレ、¥600+税。

以前は、同じ値段なら色々と食べられるコースの方が好みでしたが、経験値が上がってくるとアラカルトから自分で選びたくなります。あれやこれや未知の食材に惹かれるのです。「ゲテモノ喰い」と呼ばれる危険は伴いますが。







続きまして、どんな肉料理があるのかな。

アミューズ、前菜、スープ、魚料理

ラ・ターブル・オ・ジャポンhttp://www.latable-jpn.com/ 075-361ー6630 火・第二水休

左上から、アミューズは、サバのマリネ・オレンジソース。フランス版きずし?と思えますが、オレンジを足し算と感じさせない見事な味付け。

前菜は、マグレ鴨とフォアグラのバロティーヌ。個人的にはマグレ・ド・カナールには良い印象を持っていなかったのですが、肉の味がしっかりしていて、定評のあるフォワグラと調和している。

続いて、黒トリュフとモツァレラ入りの...茸のクリームスープ、+¥1,000。誘惑に負けて注文。キノコてんこ盛り感の風味ですが、後口はサッパリ。

やっぱり外せない魚料理は、黒ソイのポワレ・アンチョビソース。鯛とタラの中間の歯触りだったような...。アンチョビは言われなければ気が付かない程の隠し味で、魚自体の味が前面に出ている。まだまだ知らない美味しい魚があるんだと溜息が出ます。





肉料理

肉料理は、フランス産ピジョン(鳩)のロースト・その内臓とセップ茸のソース、ニョッキ添え、+¥1,300。焼き野菜が別添え。 

「あっ、忘れてた」、一口食べてからの撮影です。今回の鳩はジビエではなく、エサが管理された家禽です。ヴァイオレットの可憐な断面を見せる、真ん中の大きな塊は胸肉です。とても柔らかく、少し血の風味がしました。モモ肉、手羽などの骨付き部分はより旨みが明確で、分かりやすい美味しさ。こちらのソースはキノコらしさはありつつ穏やかで、鳩を引きててる方向性かな。それぞれシェフの個性を感じます。

オレンジジュース、¥630。フランスでは、秋はキノコ祭りなんですかね。






デザート

デザートは、栗のフォンダンケーキ、+¥300。〆はエスプレッソ、小さなマドレーヌ添え。 

ナイフを入れるとトロリとマロンペースト?が流れ出てきて、クリーム兼ソースとして焼き菓子を味わう。手前の白っぽいのは梨のアイス、奥はキャラメルのそれ。手前は渋皮煮かとパクリと口に入れたら、ブランデーに漬けられていてビックリ。予想外だったので、脳みそが揺さぶられた。

今回も、MENU B(¥5,990)です。プリフィクスなので肉料理の選択肢が多く、好奇心を存分に満たせます。コースとアラカルトの良さを兼ね備えている、つまり完璧。








休日は昼まで寝てしまいます。必然的に活動量が半分です。来月も一回だけの更新と致します。