2017年11月27日月曜日

平成29年11月のあれこれ

 あ~寝坊した~。この時期恒例、左京区のある催し物に行きたかったけど諦めました。

挑戦的な一品

おだしと小麦 一三〇 月休

 久し振りにラーメンの気分です。ラジオでラーメン好きのアナウンサーがこの店を紹介されていて、気になってたんです。北大路白川下がる一筋目を東入ったトコ、「いさお」と読みます。

 2013年産の天然・三等品を使用した、利尻昆布2013、¥1,000。蕎麦みたいにヒネだと味が濃いかなぁと思って。ちなみに、2017は養殖の一等品だそうです。

 さて、麺は黒い粒子が見て取れたので全粒粉かなと思いました。しかし、一口すすると味は蕎麦っぽいな。ふと、お品書きの裏面の説明によると、小麦と卵、蕎麦粉で製麺しているとのこと。噛むと弾力を感じつつ、プツリと切れて歯触りが気持ちイイ。穀物の風味が柔らかくふくよか。

 スープは完全に日本料理の椀物のそれです。昆布の他に何の材料で出汁を引かれているのかは聞けませんでした。かつお節ご飯の際に削っていた本枯節かもしれませんし、棚に四種類並んでいた煮干しかもしれません。いずれにせよ鍛金のスプーンで一口味わうと、圧倒的な旨みに店名の意味を理解できます。

 「ラーメン屋ではありません」と宣言されています。こちらも認識を改めて、麺が椀種の吸物と捉えた方が適切かもしれません。ラーメンマニアよりはわたくしのように、純粋に美味しいもんなら何でも好きな人にお勧めです。

 もしお客さんが少ない時があるのなら、色々伺いたいものです。


愛用の三種類
OBJ 075-711-6109 無休

 去年は忘れてたけど、一年に一度の点検と清掃のために来店。ここで買ったわけではないのに、オークリーのサングラスもキレイにしてもらって感謝です。

 左から、less than humanとSTEREO☆FLYの共同作品。市松模様のツル(テンプル)が、尖がった温故知新を感じさせる。
 
真ん中はOBJのオリジナルモデル、water ACE LUXE。落ち着いた形ながら、淡い黄色が差し色です。わたくし、服装は寒色系なんでね、眼鏡などの小物は時折明るい色を選びます。
 
 右は同じくOBJオリジナルフレームのwater X ver.。見た目通りに、とにかく軽くてラク。自宅ではこればっかり掛けてます。
 
 眼鏡も定期点検は必要なのです。だんだんフィット感が低下してきます。「茶道でも習ってるのかな」と思わせる立ち居振る舞いと応対に感嘆しつつ、久しぶりにあそこでお茶しよーと。


喫茶

アカツキコーヒー 075-702-5399 第2水・日休

 一三〇とOBJから北大路通を西に移動して、東大路通を北に上がる。ラーメン街道の入口辺りに位置する喫茶店。ケーキセット(¥870)×2、¥1,640。

上)マロンクリームタルトとフグレンのケニア。モンブランをタルトに変換したかのようで、ありそうでなかった。浅煎りとの相性も悪くない。

下)キャロットケーキとカフェラテ(セット料金+¥100)。干しブドウを抱き込んだしっとり生地、上部は何のクリームかな?
 カフェラテはフワフワなめらか、喉を撫でて落ちて行く。どちらも定番ですかね。この組み合わせは、優しさという概念が飲食物に変換されたかのようです。

 いつものようにコーヒーやその業界のことを話しつつ、駐禁の取り締まりが来るまでゆっくりできました。存じ上げませんでしたが、スープとパンの軽食もあるんですね。次はランチで訪れます。

 内装やしつらえはカフェと呼べるでしょうが、雰囲気は喫茶店です。完成度の高い甘いもん、先鋭と柔和が同居するコーヒー。一見さんと常連さんが混じり合う、地に足の着いた名店だと思います。





珈琲豆

 少し前からフグレンを扱い始めたそうです。京都でここの豆を扱ってるトコって、他にあるのでしょうか?袋の中に鼻を突っ込むと、甘酸っぱい香りにクラクラ。

 一杯目に飲んだケニア(200g)、¥2,060。パッケージの説明によると、「レッドベリーやチェリー、ローズヒップのような酸味、ライトボディの赤ワインのような後味。」

 一方、わたくしの感想は、口に含んだ瞬間にトマトジュースを連想しました。キリッとした果実味。目隠しして飲んだら、コーヒーとは判るまい。

















午前中に用事を済ませて、お馴染みのトコばっかの奈良ツーリング。

スパイス+本+古民家

ミジンコブンコ 0742-24-8231 日月休

 わたくしが勝手に思うところの特等席にて昼食。おばんざい五種とキーマカレー(右上)、アップルシナモン(右下)、合計¥1,250。

 最初にお冷ではなく、カルダモンの白湯が出されました。特有の香りだけでなく、何故か旨みも感じる。
 懐石料理では、最初に紫蘇の白湯が出される事がありますが、それに通じるものを感じました。

 キーマカレーには甘口とありましたが、甘みがあるのではなく辛さが控え目の意味です。それでも相変わらず冴えた口当たりに、波紋のように拡がる香辛料の香りが暖かい。本日のスープ、かぼちゃのポタージュも胃腸を撫でるように収まる。
 そして、茶室にも通ずる静寂の中に佇む、アップルシナモンの器。

 香辛料を使った料理と聞けば、刺激とか高揚、活性化などを思い浮かべます。しかしながら、ミジンコブンコの料理や飲み物には鎮静、優しさ、温和をもたらす効果があります。店内の雰囲気にも緊張はなくて、かと言って弛緩してるわけでもなく、奇跡のような平穏が漂っている。こんな空間の存在は、奈良にとって至宝であると思います。

 そんな稀有の場所で読んだのが、「道に降りた散歩家」、「Winter Light」、「農家が教える加工・保存・貯蔵の知恵 野菜・山菜・果物を長く楽しむ」
 近くに並んでいた本を手に取っただけですが、何故かミジンコブンコらしいと感じます。地に足の着いた実直なもの作りが共通点ですかね、料理にしろ芸術にしろ実学にしろ。

参道+丘の上+街並み 

天神社

 少彦名を祀っています。古事記を読んだ事があるので、名前は知ってましたが、どんな神様なのか思い浮かびません。

 人も鹿もいない場所。こーゆー場所って、人の気配が無ければ無いほど、神聖なるものの存在感が増すような気がする。

 奈良公園も散歩しましたが、あの甲高い響きと、それに続くブルブルといった音は、鹿の鳴き声なんですかね?初めて聞きました。「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋はかなしき」を思い出しますが、確かに情緒はあります。







のんびり+お菓子+情報交換

ピエ二ブラン 0742-93-4471 不定休

 着席するなり、「ノモケマナさんに行って来られたんですか?」、「あ、(顔を覚えてくださってたんですね、)いえ、今回も閉まってました」店は再開されているのですが、週に二、三日だそうです。

上)甘じょっぱくて、縁がカリッとしたフィナンシェが最高、焼き菓子盛り合わせ。
 この時期ならでは、ヴァンショー(ホットワイン)のノンアルコール版?シナモンとスパイスのブドウジュース。

下)本日の生菓子、生チョコとバナナのロールケーキ。果物をそのまま巻き込むロールケーキって初めてでした。巻き寿司みたいだな。

 持ち帰りで、上述のフィナンシェ、宇治抹茶のティグレ、チーズケーキ、黒豆パウンドケーキ。店内飲食とお土産で合計、¥2,700。ピエ二は既に高畑のおっとりした空気に馴染んでますよね~。

 奈良のコーヒースタンドの店主が焼き菓子を仕入れに来られました。そこの事を伺って、「バイクが止められそうなら行ってみます。」

 さっ、オジーオズボーンの「Mama,I'm Coming Home」を歌いながら実家にか~えろっと。


深泥池

 秋の夕暮れ、と言えば思い出すのが、この短歌。

 「見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ」

 この句が日本における美意識の分水嶺となったそうです。雅な王朝文化から、中世のわび・さびに繋がる視点として。
 とは言え、ベタなこんな風景もイイもんです。