2018年7月9日月曜日

平成30年7月のあれこれ

 「お酒のアテは甘いもん」、この特集は以前から練っていたもので、東京の某ライフスタイル雑誌やSAVYYのパクリではありません。どーせこれらの雑誌かて、わたくし同様に狐菴に触発されたんでしょ。

 酒香菓子愛好家として、昔からお酒の香りや風味を好んでいました。しかし、お菓子にお酒を合わせようなんて思いもよらなかった。そもそもコーヒーが好きだし、体質的にお酒に弱いので。ま、ここに来て少しは大人になったってことですかね。
 随分と前に先駆的な企画がありました。純米大吟醸の獺祭と塩バターキャラメルのロールケーキのセット。当時はこの組み合わせにピンとこなかったのですが、今なら理解できるかもしれないなぁ。

その1

ドルチェパンダhttps://www.instagram.com/dolce_panda_kyoto/?hl=ja

 トーストセット(¥1,080)のデザートにもう一品追加、いずれもお酒に合わせて店主のお勧めです。

 左から、和柑橘のタルト。桜餅のタルト。小西酒造のひやしぼり大吟醸、¥?

 やっぱ、お酒大好き店主のお勧めは間違いない。まずは大吟醸ひやしぼりだけ味わってみると、ポンっと吟醸香(果実香)と軽やかな旨みが開いて、素っ気ないぐらいに消え去る。このつれなさ?を追いかけて杯を重ねると、ヒットアンドアウェイが巧みなボクサーのジャブを受け続けたみたいにフラフラになりそう。ま、要するに飲み易さが尋常ではないということ。

 次に桜餅タルトに合わせてみる。店主曰く、「あんこと合う思います」 ひやしぼりのつれなさが消えて、旨みと香りがふくよかになってくる。好みの相手が現れた途端に愛想が良くなるコみたいです。

 さらに和柑橘のタルトにぶつけてみる。タルトの酸味に反応しているのかどうかわかりませんが、ひやしぼりが火花のような閃光を放つ。親しみを維持しつつ、ここまで豹変するとは。

 カワイさ全開のこのお店で、こんな楽しみ方する人は、実は少なくないそうです。

その2

カフェコチ 075-212-7411 第3水・木休

 前から気になってたんで、今夜は勝負してみます。日本酒を出してるカフェって他にあるのかな?

 白杉酒造の丹後のヒカリ(純米吟醸)、¥500。純米酒かなと思ったほどのふくよかさと甘み。間違いなく飲み易い日本酒です。個人的に思うところの、コチの看板デザートとの相性は如何に。

 キャラメルパフェ(L)、¥780?丹後のヒカリを一口飲んでからパフェを味わうと余韻が溶け合うようで気持ちイイ。特にホイップクリームと合うような気がする。逆の順序では、キャラメルの苦みとお酒の辛み?が立ってくるように感じて、わたくしのような初心者には敷居が高くなる。ですから、一度お冷でリセットして、丹後のヒカリからのキャラメルパフェという作法を守る。

 バターとバニラシュガーのクレープ、¥650?シンプルイズベストのお手本のような完成度で飽きが来ない。しかしながら、あらゆる手段を講じても、お酒との接点は見つけられなかった。よって、それぞれ単体で楽しみましょう。

 後日談ですけど、狐菴の店主にこの話をしたら、「(同じ白杉酒造の)銀シャリのほうがいいんじゃない」と。次回はそれでやってみます。

その3

アシェットデセール 未完 050-1106-5646 不定休

 予約時間に訪れますと、隣の席から、「あっ、こんばんは。」 わたくし、「うわっ、こんばんわ、ビックリした~」、ドルチェパンダの店主の方でした。未完の店主の方とは元同僚ということで親しくされているとは聞いておりましたが、こうやってお会いするとは想像していませんでした。

 デセールコース、¥1,800+税。メインに合わせて勧めてもらった、シャンパーニュ、¥1,200+税。

 最初に断っておきますが、話し過ぎと酔いのせいで記憶が曖昧です。左上から右回りで、トウモロコシのポタージュ。上に浮かんでいるのは、確か...蕎麦の実を焼いたやつ、チュイル?おそらく砂糖は加えていなくて、素材の持つ甘みのみでデザートコースのアミューズとして成立しています。

 メインはピンクペッパーを練り込んだメレンゲ、チーズと桃?の一皿。とにかく舌触りも味わいも、ツバメの飛翔のような軽快さと清々しさ。そこにシャンパーニュの華麗が調和して、舞妓さんの見世出し(デビュー)みたいな華やかさと繊細さ。
 次はおなじみ、塩味の白鳥のシュー。ピスタチオのクリームと(すまん、忘れた)珍しい材料のグラニテ。画像から想像するより小さいものです、一口サイズです。

 最後は、伝統菓子の盛り合わせのミニャルディーズ。それぞれの焼き菓子は、生姜や塩の風味が立っていて甘さは控え目です。それはコース全体にも言える事です。シメとして、カプチーノ、¥650+税。合計、¥3,940。

さて、満たされた気分かつ、ほろ酔いで帰路につきました。電車の中でウトウトしてたら、寝過ごして八幡まで来てしまいました。ヤバっ、あやうく終電が無くなるとこでした。これが唯一、「お酒のアテは甘いもん」の注意点です。

その4

藤岡酒造・酒蔵Bar「えん」 075-611-4666 水休

 左上は、酒蔵らしい風格ある玄関口です。入ってすぐ右側に自動ドアがあります。靴を脱いで奥のカウンターに着席。

 結果的に、こちらのお店の甘いもん全種類制覇です。雲丹豆腐など、いわゆるアテも魅力的なんですが、企画の趣旨に忠実に。
 お酒はお勧めで、純米吟醸・山田穂、¥480+税。やさしい味わいの中に、辛みがピリッと。前回(アシェットデセール未完)同様、眠たくなってきて記憶がおぼろげです。

 右上から時計回りに食べた順で、自家製酒粕アイスクリーム、¥500+税。シャーベットの舌触りに、チーズケーキの味。さすがに蒼空とは違和感なく寄り添う。

 自家製酒粕レーズンバター、¥500+税。伺ったところ、バターと酒粕の割合は、6:4だそうです。レーズンはラム酒ではなく、当然こちらのお酒に軽く漬け込んでいるそうです。ですから、しっかり酒香菓子してます。おそらく、蒼空とお菓子の相互作用で鈴の音のような辛みが立ってくるんですけど、意外にも好意的に受け止めました。

 お茶と酒まんじゅうのセット、¥500+税。まんじゅうからお酒の香りが立ち昇る。蒼空との相性については...忘れた、眠気が強烈で。

 どうやら、ここまで甘いもん尽くしなのは珍しいようで、「甘いものがお好きなんですね」わたくし、「あまり飲めないので、その代りです」と。

その5

狐菴https://www.instagram.com/kiss.a.co/ 月火休

 左から、お菓子aoiの季節の三色団子、梅餡の猫最中。菴主曰く、「(三色団子の左端の)清見オレンジと梅餡に合うと思います」で、城陽酒造の祝。
 信と王騎将軍の矛みたいに、この組み合わせによる融合と相互作用を体験してしまうと、今後は単独で味わうのがもったいなく感じてしまう。高価な料理店でなくとも、そんな感動を得られる稀有な場所です。シメはカフェオレで、合計¥2,100。

 ようやく言及できるのですが、こちらの店主は和菓子との相性で、酒米の「祝」を使用した日本酒を提案されています。また、お菓子によっては「蒼空」や赤米を使用したロゼのような向井酒造の「伊根満開」を薦められることもあります。

 さて、店主の人間力によるものと思われますが、このお店にはホント面白いお客さんが来られます。次回はそういった方々に倣って、このお店ならではの楽しみ方をやってみたいと思います。

その6

カッテ 075-746-3538 火休

 レモンクリームのロールケーキ、¥550。一口食べてしまって失礼、スフレチーズケーキ、¥?

 何となく合うかなの、チンザノ・ハーフ&ハーフ、¥?(食事セットでの注文時は、+¥50でした)チンザノのロッソ(甘口)とエクストラドライ(辛口)を1:1で、シャキーンとしたサッパリ感とほんのり甘さで飲み易さを両立。蒸し暑い時期には最適です。相性は以下の通り。

 ロールケーキ △ 香りがふくよかになるものの、立ち上がる辛みをチクチク感じました。これはバッチリ合いそうだと思ったんですけどね。

 チーズケーキ ◯ ホイップクリームを絡めると尚更なのですが、一体感がありつつ、それぞれの味わいがより強力に感じました。こっちの相性の良さは意外でした。
 
 このお店では、カクテル系と合わせるのが面白いかも。







その7

カフェラッテ 075-322-2766 月休

 ここで変化球です。お酒に合わせると言うより、既に器の中で融合してるんですけど。

 リキュールのアフォガット(シングル)、¥720。本当は¥750なんですが、「お酒に弱いから少な目で」とお願いしたので、値引きしてくださったようです、かたじけない。

 バウンティCOCOという、砕いたチョコをちりばめたココナッツのジェラートに、店主お勧めのバカルディ(ラム)を合わせて。バカルディの香気が炸裂して、ココナッツのコクが渦巻いて、顔の上半分だけ極楽浄土。アルコール度数40度ですから刺激度は随一なのですが、ジェラートと合わせると大人びた気品に転じます。

 闇夜に浮かび上がる純白のジェラート。はたから見て分からないように、お酒を楽しむ裏技でもあります。


 ところで、「エスプレッソ立ち飲み振興会」に続く、「酒香菓子繁栄会」でも結成しようかな。それなら、この組織のイメージソングはマドンナ「Crazy for you」、もしくはジェイド・アンダーソン「Sugar High」です。好きで好きでしょうがない、ってなもんで。