2018年7月31日火曜日

平成30年7月のあれこれ、その2

 「さては特集ばっかりで新ネタの探求を怠ってるな」とお思いの皆様、お待たせいたしました。今回はほぼ新ネタです。二つ目までは、先月のネタです。

新ネタ、その1

ゴリールhttps://www.facebook.com/Gorille.official/ 072-808-8411 月休 

 店主、「よくこんな時に来られましたね、大丈夫でした?」 わたくし、「あー、雨ですけど、甘いもん食べたくなって」 店主、「いや、(昨日、)地震があったから」
 京都市、自分のまわりではさほど被害がなかったので、「よ~揺れたな~」と呑気な態度のわたくしでした。

 昨年の11月、以前の八幡からほど近い、枚方市の樟葉に移転されました。ですから、揺れが尋常ではなかったのです。店内で販売されている調度品も少し被害があったそうです。
 そう、移転されたのはミューズ・アンティークスという西洋ビンテージ・アンティーク家具店の中なんです。厨房も客席もゆったりしていて、空間を贅沢に使っています。パティスリーカフェ+アンティーク家具店、唯一無二でしょう。

 前と後ろから撮影してみた、本日のパフェ、¥800?金柑のコンポート、ドライココナッツ、アイスクリームなどで南国トロピカル風?その場の思い付き、または即興な感じで組み上げていきますが、キチンとまとまってるのは流石です。
 焼き菓子盛り合わせ、¥?何が出てくるか、こちらもその場のノリですかね。ブレンドコーヒー、¥?のアテという雰囲気がタップリ。

 営業時間も一風変わっていて、15時~19時、20時~25時。夜カフェどころか深夜カフェできます。ちょっと遠いけど、京都市からバイクでならアリです。それだと、「お酒のアテは甘いもん」できないんですけどね。


新ネタ、その2

漆芸舎 平安堂 075-334-5012 水休

 実は去年、濱中史郎さんのカップの口縁部と畳付きの二か所に、欠けをこさえてしまいました。それ以来、「どこかで金継ぎしてもらわなあかんけど、どこに頼んだらいいんかな」とズルズル時間だけが過ぎていました。

 ある日、狐菴に向かうため大徳寺の東側を北上していたら、「あっ、こんなトコで金継ぎやってる」 後日、カップを持って来て、店内の金継ぎ作品を拝見してから、「ここなら大丈夫そうだ」と依頼しました。

 四月に作業をお願いしてから、金継ぎを落ち着かせる時間も含めて、二か月後に完成のお知らせがきました。
 作業代金、¥15,000+税。画像左が示すように、金が少し垂れているように仕上げているのが、この工房の美意識です。というのも、欠けは外側には無かったからです。単なる修復ではなく、新たなる魅力、器の景色を創造しているのです。真ん中の画像、畳付きの欠けの補修は黒い漆だけです。接地面が擦れると金が剥離してしまうので。
 お店の方もおっしゃていましたが、一般的な金継ぎの代金と比較しても、随分と高価です。理由は純金粉を使用、漆はいまや希少な国産100%だから。その代り廉価な仕事にあるように、突然金継ぎが外れることは無いそうです。長い目で見るならば、さらなる美の付加も考えあわせて納得です。

 作業前の画像、つまり欠けの様子を撮影しておけば分かりやすかったのにな。

新ネタ、その3

river RAMEN 木休

 ある日、京都市中心部をウロウロしていると、「ラーメン食べたいな、どこかないかな」、「あっ、そ~言えば、サヴィに載ってたトコあったな」、と思ったのが前回の来店でした。
 その時注文したのは、「こはく」、¥900。塩系ラーメンのように清澄なスープ、流麗な口当たりとふくよかな旨み。これを勝手に、「出汁系ラーメン」と定義いたします。

 で、今回は興味本位で、しろ、¥950。鶏白湯もしくはポタージュに似たトロサラの感触。ちょっと濃厚気分の時にはこちらです。つけ麺も気になるなぁ。

 味以外の注目点、その1。ラーメン屋で組鍋とやっとこ(組鍋をつかむためのペンチみたいなやつ)を使ってるの初めて見ました。さすが、割烹の二号店です。その2。決まり文句の連呼ではない、客ひとり一人に心遣いをされるラーメン屋は初めてです。さすが、人気割烹の二号店です。


これはおまけネタ

トレ・チプレッシィ 075-821-3561 日月休

 左)ジャケ買いと言うか、目を引く意匠でオリーブオイルとは思えない、クワトロチョッキ・オリバストロ(250ml)、¥2,400+税。かつて経験したことが無いほどの風味の強さと辛み。フツーのパンだと太刀打ちできません。

 パティスリーエスにオリーブオイルの本があったので(なんで、また?)読んでたら、クワトロチョッキについての記述がありました。そこにお勧めの食べ方があったので、完熟の赤万願寺とうがらしの網焼きにかけてみました。
 「こ、これはうまい」赤万願寺の甘みに調和するオリーブの青さと爽やかさ。パンとの相性で感じた辛みも無く、焼野菜との組み合わせサイコー。非日常感が横溢です。

 右)サンタクローチェの量り売り(300ml)、¥1,350+税。クワトロチョッキと比較すると穏やかに感じますが、じゅうぶん香り高いオイルです。尖がった部分が無いから使いやすい、優等生です。









新ネタ、その4

茶菓えん寿http://chaka-enjyu.com/ 075-432-7564 水休

 わたくし担当の美容師さん曰く、「太秦に気になるお店があるんですけど、ここ知ってます?」 ということで、調査員?としてやって参りました。

 福岡県八女市、星野村で育てられた、実生在来の玉露。「みしょうざいらい」とは、種からお茶の木を育てているという意味です。「まさに玉露」と言われた通り、昆布出汁のような旨み。そして、驚いたのが力強い植物の青々しさ。ちょっとネットで調べただけですが、この実生在来は奥が深い。

 お菓子は道明寺(饅頭?)です。祇園祭の時期ですから、銘は「稚児の餅」です。白粉の下からほんのり赤味を覗かせる頬っぺたみたい。歯触りも上質この上なし。反面、味わいは山椒が効いた白みそ餡ですから、ピリ甘の大人びた印象です。お稚児さんの秘めたる責任感の隠喩かな?お茶とお菓子のセット、¥750。価格と感動の不均衡、「お値打ち」を通り越して、ほとんど奇跡です。

 何時ものように長居しました。お代わりは、水面に映った花火を表現された錦玉(寒天菓子)、銘「水花火」です。すりガラス越しの色彩みたいに淡く、涼しげでもある。お茶は釜炒り茶の、藤かおり。萎凋香(いちょうか)呼ばれる柔和で甘い香りに捕らえられる。魅惑の芳香、いつまでもクンクンしていたい。執着の度合いを譬えるならば、イングヴェイ・マルムスティーン「Prisoner Of Your Love」ですかね。

 美容師さんへの報告書、「すぐさま訪うべし。気軽なおやつとしての餅菓子、お茶席にも相応しい上生菓子、いずれも卓越したる美味。合わせる日本茶は百花繚乱のごとし。加えて店主明朗なり。」


 信楽のトラサルへ、注文していた湯呑み(河合正光/白磁)×4を受け取りに行く。さらに、八寸?のリム皿(濱中史郎/レオパード)を一枚買い足し。

新ネタ、その5

 ツーリング途中のよそ見シリーズ。京都からトラサルに向かう途中、大津信楽線(県道16号線)を走っている時に、いつも気になってたんですよ。

 ま、予想通り水力発電施設なんですけど、図書館ぽいレトロな外観に惹きつけられます。大戸川発電所といいます。

 暑すぎてゆっくり眺めていられません。











新ネタ、その6

YAKUME BAKERY 090-3943-4018 土日のみ営業

 信楽のトラサルから少し南下して、二回目の来店です。茶房一倫の店主からの紹介です。修行先の和菓子店の元同僚だそうです。ノタショップにもここのカードが置いてありました。聞けばノタショップのオーナーが店舗設計されたそうです。

 いつもの表現で申し訳ないんですけど、具材がどーのこーの言う前に生地そのものが美味しいパン屋です。

 (カマンベール)チーズと豚肉のカスクート、¥280。豊かな風味の生地を楽しみましょう、具材は脇役です。ブドウから起こした酵母の、バゲット、¥260。外側カリッと、内側モチっと。

 そ~言えば、パンのための器という分野はないな。パン好きの陶芸家か誰か、そんな器を開発しませんかね。