2017年10月29日日曜日

平成29年10月のあれこれ、その3

初秋の金沢、五日目。
最後の朝食と晩御飯

 手前は、朝食として豚肉としし唐の焼きそば。 

 奥は、帰りの電車の中での晩御飯としてべ-グルサンド。具は焼きそばと同じ。

 キッチンはネイバーズインが最も広いので、調理がしやすい。次回ココに泊まった時は、フルコースでも作りましょうかね。もしくは、カウンターがあるので割烹ごっこ。

 いや、マジで美食系の催し物ができる可能性は十分あります。

 チェックアウトした後も荷物を預かってもらえるます。その上、自転車もタダで貸して下さるので、最後の金沢遊びに出発します。






加賀百万石の威力じゃ

 ホテルの前に聳えるこのオブジェは、前田利家愛用の兜を模しています。

 武将として目立つこと、ハッタリをかますことを意図してこの造形に至ったと推察されます。初めて金沢に来た時から、前を通るたびに、いつもくだらない妄想をかきたてられます。

 それはこの兜は意外に実用的なものではなかったかと。

 まず、兜の中ほどから先端にかけて、刃か鉄の塊を仕込んでおきます。そして、内心許しがたく思う者の前に進み出て、挨拶かお詫びの際に頭を下げるふりをして、不意打ちでこの兜の一撃をお見舞いする。名付けて、「必殺拝み打ち」か「秘技詫び殺し」で決まり。

 どう?絶対うまくいくでしょ。











散歩にもイイ感じ

金沢21世紀美術館https://www.kanazawa21.jp/ 月休

 「日々の生活ー気づきのしるし」 展、「ヨーガンレールー文明の終わり」展、どちらも~11月5日まで。

 一般、¥1,000。前者の展示においては、VOID/AIRY(無/有)という作品が面白かった。

 素材感のある外側つまり収納容器と、砲弾型などのガラスの造形が中身として展示されていました。中身と言っても、実は本質の提示は題名の横にある説明書きです。その見えない本質を構成する割合として、パーセントで四種類の事柄が材料として挙げられていました。それらが砲弾型の作品については戦争に対する皮肉になっていて、ニヤリとさせられました。
 すべての作品が、この形式で造形されています、たぶん。

 後者の展示については、パンフレットにもあった、色とりどりの照明作品が強烈な印象を残しました。後で読んだ解説によると、海岸の漂着ゴミに対する作者の回答だとのことです。

 鑑賞した時には、いつものように作品だけしか見ないので、その場での感想を述べます。ひと目でプラスチックごみを素材にしていると分かりましたが、確かに美しいと思いました。でも、それは美術館という空間だからではないでしょうか。洗練された展示になっていて、クリスマスのイルミネーションみたいなファンタジーです。
 しかし、そのなかのひとつと夜中に出会ったら、わたくしは恐怖すると思います。「…器物百年を経て、化けして精霊を得てより、人の心を誑かす…」、捨てられた道具が人間を怨んで災いを成すという付喪神の現代版です。あの美しい展示は百鬼夜行なのかもしれません。
 文明の終わり、その兆候を誰もが見て見ぬふりをしています。人工の化合物や廃棄物が「人の心を誑かす」と、他人のせいにしています。どう考えても因果応報、ツケが回ってきているだけなのに。それでは終って滅びたくなければどうすればいいのか。

 きっと潔く終わりを認めた人だけが、次の何かの始まりを始められるのでしょう。

最後の昼食&喫茶

ポルチェリーノ 076-282-9121 日休

 今回は、トマトソースのランプレドット、¥?前回の緑のパセリソース?と甲乙つけがたい美味しさ。トリッパのトマト煮込みに似ているけど歯応えが違う。費用対効果が異常に高い。ブラッドオレンジジュース、¥400。

 本店のシェフと同い年という常連さんも交えて、マダムと何の話しましたっけ?とりあえず長居しました。




エルパソ 076-251-2566 月休

 どちらも正式な名前は忘れました。左から、フランボワーズとチョコのケーキ。エロい組合せとしては定番です、断言。チョコの甘い漆黒とフランボワーズの鋭い酸味の深紅色が、無意識に近い領域で本能と繋がるのかな。

 色合いに惹かれて、マスカットのショートケーキ。甘美で清楚、味と見た目が一致しています。緑のアールグレイ、¥350。合計、¥1,270。

 前回同様、最終日は無難にお気に入りの場所で過ごして気分良く帰りたい。


「牧歌的の瓶詰め」

苔と緑 HISOCA 金・土のみ営業

 エルパソと同じ路地裏に位置しています。店に同じ様な作品が展示してあって、紹介されたんです。

 ヨーグルト瓶の、テラリウム、¥1,800。題名は特に無かったようなので、勝手に命名しました。(注)京都に帰る途中で案の定、内部が崩れました。仕方がないので、「こんな感じやったかな?」と自己流で再構築しました。

 表現している場面としては牧歌的、箱庭的です。しかし、これが瓶という限定空間に封じ込められていることによって、神秘性というか宗教性を帯びてくるように感じます。
 さらに、この三層構造が古代文明の宇宙観みたいで、小さい瓶の中にもう一つの世界が閉じ込められている...なんて空想してしまいます。

 ダリとかマグリットがこんな絵を描いていそうじゃないですか?

 お店にはミニチュアフィギュアが無い作品もあります。それらはより抽象的な印象を受けました。それぞれに魅力があるので、実際どちらを購入しようか迷いました。

自分用お土産

サニーベルコーヒー 月火休

 入店するなり、「ここを目指して来られた感じですね。」最後の最後に、グッドネイバーズホステルの近所に隣町から移転してきた、自家焙煎珈琲店で一服しました。

 ロッキングチェアに揺られて、確かグァテマラの中煎りを飲んで優雅な気分に浸る。「もう一泊しよかな~」なんて。豆を購入したら、この一杯はタダになりました。

 コスタリカ・ブラックハニー(200g)、¥1,400。丸みを帯びた果実味、喉越しの良さ。

 「お仲間です」と紹介された京都の珈琲店にも、いずれ行ってみます。












またお前か

 乗り換えの敦賀駅にて。あちらこちらと巡回されてるのでしょうか。

 想定問答。恐竜博士(以下、恐)、「やぁ、また会ったね。」 わたくし(以下、わ)、「あ、はい。」 恐、「それにしても、君はいつも福井をスルーだな」 わ、「はぁ~、何か面白いものありますかねぇ?」 恐、「それは当然、恐竜博物館だ。それに君は器が好きなんだろう?越前焼は六古窯のひとつなんだよ。」 わ、「はい、それは存じております。」 恐、「それなら次は福井に来たまえ。越前そばもあるしな。」 わ、「わかりました。選択肢に入れておきます。」 恐、「それじゃ、ほら、これを持っていきなさい。」 わ、「それは遠慮します。」

 毎度のことですけど、金沢には「次はいつ来られるのかな」と、後ろ髪引かれます。魅力的な人が生み出すあれこれが、魅力的な街として結実する。